ひな形の就業規則をそのまま使っていませんか?

■巷にあふれるひな形

昨今のクラウド化ブームにより、安易に就業規則をはじめとする労務帳票のテンプレートが容易に手に入る時代となってきております。厚生労働省もモデル就業規則を開示し、それを安易にそのまま利用している会社も数多くあるように感じます。

しかしながら、それらの規程はあくまでモデルであり、会社の実情に合った形に修正して利用する必要がありますが、そのためには、就業規則の各規定がどのような考え方で作られているのかを理解し、使用者側にどのようなメリット、デメリットがあるのかを理解していなければ適切に修正することができません。

■安易なコピペが労務リスクを助長する結果に

就業規則は、会社で働く人のためのルールであり、その重要性は言うまでもありません。またこの世にひとつと全く同じ会社、全く同じ人間、組織は存在しませんので、すべての会社にあてはまる万全な就業規則などあるわけもありません。

それにもかかわらず、安易にテンプレートをダウンロードして就業規則を制定してしまうと、それがために助成金の不支給であったり、つじつまの合わない就業規則により、実際の運用が煩雑になったり、変更しようとしても不利益変更になるために安易に修正できないといった事案も多く発生しております。

そもそも実態と異なる就業規則を作成していること自体が労務リスクを顕在化させる要因となると言っても過言ではありません。

■自社に合わせることの重要性・やり方

就業規則の規定はいかないる意味で作られているのか、その意味を十分に理解することが重要です。そのために我々社会保険労務士という専門家を活用してください。

その上で、我々が作成するのではなく、経営者の皆様が自分の考えで、自分の意思で作成していく就業規則つくりをサポートいたします。我々は昨今の就業規則は社員との相互理解のツールでもあると考えております。

そのため、社員に説明し、理解を得る必要があります。その説明は我々社会保険労務士もサポートは致しますが、経営者側で発信しなければ意図は伝わりません。そのためにもご自身の言葉で作成したものでないと、発信し難くなってしまうと思います。

だからこそ、自社に合わせた就業規則を作成することが最も重要なことなのです。