労務情報

心理的負荷による精神障害の労災認定基準が改定されました

厚生労働省は、9月1日付で精神障害の労災認定基準を改正し、都道府県労働局に通知しました。改正のポイントは以下の通りです。 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34888.html

  • 業務による心理的負荷評価表の見直し
    • 具体的出来事「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)を追加
    • 具体的出来事「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を追加
    • 心理的負荷の強度が「強」「中」「弱」となる具体例を拡充(パワーハラスメントの6類型すべての具体例の明記等) 
      ※実際に発生した業務による出来事を、同表に示す「具体的出来事」に当てはめ負荷(ストレス)の強さを評価
  • 精神障害の悪化の業務起因性が認められる範囲を見直し
    • 悪化前おおむね6か月以内に「特別な出来事」がない場合でも、「業務による強い心理的負荷」により悪化したときには、悪化した部分について業務起因性を認める
  • 医学意見の収集方法を効率化
    • 専門医3名の合議により決定していた事案について、特に困難なものを除き1名の意見で決定できるよう変更

この基準改正は、労働者のメンタルヘルスを守り、労災補償を向上させるための重要な変更です。新しい要因の追加や心理的負荷の評価基準の明確化により、労働者のストレスや精神的な負担を正確に評価できるようになりました。また、仕事による精神障害の悪化に関するルールも見直され、労働者の保護が強化されました。

医学的評価の効率化は、労働者に早く必要な支援を提供できるようにしましたが、専門性と公平性を保つことが大切です。


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